◯目次
- はじめに
- 勉強の方向性の4軸
- まとめ
〇はじめに
今回は私が考える勉強の方向性についてお話をします。トレーナーに限らず、専門職の勉強の方向性は大きく4つの方向性に分けられると考えております。
※業界で言われていることではなく、あくまで私個人がこのように整理しているとご理解ください。
◯勉強の方向性の4軸
下記の図をご覧ください。
「広く」か「深く」かという軸と、
「座学的」か「実践的」かという軸があります。
まず横軸について解説します。
これは知識を広くしていく、つまりまだ知らない分野についての勉強をしていくことを指します。
反対に「深く」は現在知っている分野についてより深く学ぶことを指します。
具体例を上げます。
例)現在「体幹トレーニング」と「筋力トレーニング」について知っているとします。
その人が新たに「呼吸トレーニング」について学ぼうとなった際、それは知識を広げることになるので横軸の右に向かっての学びになります。
一方、筋力トレーニングについて学びたいとなった場合は、既に知っている分野をより深く学ぶことになるので、横軸の左に向かっての学びになります。
では次に縦軸の「実践的」と「座学的」について解説していきます。
これは完全に私個人の整理の仕方ですが、より現場での指導に影響のあるものを「実践的」とし、現場の指導に大きな影響(変化)はない、背景知識のものを「座学的」と呼んでいます。
ちなみに「座学的」だから意味がないということは全くありません。現場での指導に大きな影響(変化)はなくとも「自信をもって提供できるようになる」ことや「迷った場合にどちらを選択すべきかが明確になる」「ブードゥサイエンス(間違った科学)に惑わされなくなる」などの利点があります。
こちらも具体例で見ていきましょう。
例)現在「筋力トレーニングのスクワット」について知っているとします。
その人が筋力トレーニングのスクワット以外のエクササイズを新たに10種類学ぶとします。
これは、現場での指導において提供できるエクササイズが10種類増えるので、現場での影響(変化)は大きく「実践的」な学びです
反対に、既にしっているスクワットについて深く学ぶとします。
※今回のスクワットはバーベルを担いだスクワットとします
「バーのセッティングはどの高さがよいのか」「手幅はどの程度が良いのか」「脚幅はどの程度が良いのか」「深さはどの程度が良いのか」「重さはどの程度が良いのか」など、
スクワットにおける様々な要素について深く学びます。
この場合、提供できるエクササイズは一つも増えていません。
ですので、現場での指導に与える変化は大きくないので「座学的」といえます。
では、縦軸と横軸を同時に考えるとどのようになるか。
こちらも具体例を出して考えてみましょう。
例)現在「体幹トレーニング」と「筋力トレーニング」について知っているとします。
この人が「呼吸トレーニング」について背景知識を中心に学び、エクササイズで新たに知ったのは3つほどであるとします。
この場合「呼吸トレーニング」という新しい分野になるので「広く」、背景知識が中心のため「座学的」となります。4軸でいうと右下の辺りになりますね。
別な例として先ほどの例を考えましょう。
現在「筋力トレーニングのスクワット」について知っている人が、新たに筋力トレーニングの種目を10種類学ぶとなった場合、既に知っている分野なので「深く」提供するエクササイズが増えるので「実践的」な学びとなります。
◯まとめ
今回勉強の方向性の4軸をテーマとしたのは、このような考え方が専門職、特に運動指導者には大事だと思ったからです。知識を広げようとばかりして深く学ぶことをしないと、指導のレベルは上がりません。一方で深く同じ分野ばかり学んでいても、別な分野を学ばないと近視眼的な考えになり、アプローチできる対象も少なくなってしまいます。
さらに、同じ分野についてもバリエーションをたくさん持っているというのは現場での指導において非常に重要である一方、一つ一つのエクササイズについてより深い知識(座学的な知識)をもっておくことも重要です。
より良い運動指導者となるには、ただ広く知識を持つだけでもだめですし、一つの分野にだけ特化して詳しいのでもだめだと思います。
もし、勉強の方向性がどれか一つに偏っていたと思った方は、ぜひこの機会に別の方向性の勉強もしてみてください!