◯目次
- はじめに
- 座学16時間、やること5分
- この話から何が言えるか
- まとめ
◯はじめに
タイトルにある、
「座学16時間、やること5分」
とは私が日々勉強をしていくなかで大事にしている言葉のひとつです。
これはとあるセミナーの講師を務めていた方が仰っていた言葉を引用したもので、フィジカルトレーナーとして必要な知識を学ぶ際にはいつもこの言葉を思い返しています。
今回のコラムではこの言葉を通して私の勉強への考え方をお伝えしていきます。
私と同じトレーナーの方はもちろんのこと、他の職業の方にとっても有益だと思うので、ぜひご覧ください。
◯座学16時間、やること5分
先ほども言いましたが、この「座学16時間、やること5分」とは私が受けたとあるセミナーの講師の方が仰っていた言葉を引用したものです。
いわく、2日間で16時間もの講座をしても実際にクライアントに提供するエクササイズ(もしくは施術)はセッション全体の5分程度になるとのことでした。
〇この話から何が言えるか
私はこのエピソードから、このこと自体を意識した上で勉強していくことが大事だと学びました。
当たり前ですが、お客様とのセッション時間には限りがあります。私たちトレーナーはその限りある時間のなかでお客様にご満足いただけるようにニーズに沿ったエクササイズを提供しています。
そのなかで行われているひとつひとつのエクササイズをしている時間は数分しかかかっていないものの、そこには何十、トップトレーナーの方に至っては、何百、何千という時間の勉強の集大成が詰まっています。
例えば、スクワットを指導することができるトレーナーは多くいるでしょう。しかしそこから、なぜスクワットなのか、なぜその脚幅でなければならないのか、どんな意識で動作を行うのか、など多くの質問に答えを返せるかはそれまでの勉強時間や経験がものを言います。
このようにスクワットの指導一つとっても、深堀すると解剖学、バイオメカニクス、運動学習、生理学など様々な分野の知識を必要とするため、かなりの時間を要します。
そのため、今提供できるエクササイズの内容に甘んじることなく、勉強をしつづけ深堀することが大事だと考えています。
また、誰しも頑張って学んだこと、取り組んだことは実践で活かしたくなると思います。
ですが、それに固執してしまうと提供する内容に偏りができてしまい、お客様が本当に必要としている指導になりません。
実際に私もキャリアの初期にこのような間違いをしていました。
当時は日本で呼吸トレーニング、感覚運動統合が注目を浴びており、よく勉強をしていたため、セッションの中にそればかりを組み込んでいました。
そのため、当時指導していたアスリートの方に必要な筋力・パワーの強化、動きの強化などをほとんど提供できませんでした。
この経験から現在は、これまでに学んだ知識と直近で学んだ知識を織り交ぜることで、流行りに流されず、本当にお客様が必要としている指導を提供できるように努力しています。
一生懸命に学んだことを提供できる時間は意外と短いものです。しかし提供時間に注目するのではなく、そのバックボーンに念頭を置くことがとても大事だと私は思います。
〇まとめ
今回のコラムでは、「座学16時間、やること5分」という、私が大事にしている言葉を元に勉強に対する心構えをお伝えしました。
エクササイズを指導できる、トレーニングを指導できる、など言葉ではそれらに差異はありません。
ですが、ただ”出来る”のと”高いクオリティで出来る”のには雲泥の差があります。
私も、一つ一つのエクササイズの提供に対して高いクオリティをもってお届けできるようこれからも精進していきたいと思います。
皆さんもいいなと思ったらぜひ参考にしてみてください。
今回の内容は勉強の方向性でいうと「深く」学ぶということに関するエピソードでした。これ以外にも勉強の方向性はあり、そちらも非常に大事だと考えています。
次回は「深く」以外も含めた勉強の方向性についてお話していきたいと思います。